当テーマは、「何のために読書をするのか」です。

図書館には本屋さんに置いていないような専門的な書物が揃っているので、受験勉強や論文執筆の際に重宝します。

なにかひとつのことを調べるときは、一冊の本だけを頼りにしてはならない、というのは学問の常識です。
たとえば、あなたが文学部の学生で「夏目漱石」について論文を書こうとしている場合、漱石自身の書いたものはもちろん、漱石の友人や家族、また他の小説家や評論家が漱石について書いた文章にまで接触しなければなりません。
漱石ほどメジャー級の作家ともなれば、現在まで彼について言及した本というのは、膨大な数になるでしょう。

いまではどの図書館にも検索機というものがあって、任意のキーワードを入力すると、それに関する本を探し出してくれます。
しかし、実はこれが落とし穴。
「夏目漱石」なんてキーワードで検索しようものなら、それこそ数千件のヒットが出てしまうのです。
便利すぎて使い物になりません。

なので、ここはもう漱石の本が比較的まとまって置いてある棚をまずは覗いてみることです。
そのなかから、使えそうなものを何冊か抜き出します。
この場合、基本的な資料として使えそうなもの(年表が充実しているもの、全作品の概略が載っているものなど)と評論・エッセイ的なものを取りあわせて選ぶことが重要です。
基礎となる事実を押さえておかなければなにも始まらないし、評論・エッセイのたぐいには、資料にはない面白エピソードが書かれている場合が多いからです。

そして、メモ帳や小さいカードにその本に書かれている重要なキーワードを抜き書きしていきます。
こうしておけば、複数の本で同じ事柄について言及されている場合、書かれ方や論評のされ方をあとから比べることができ、多角的な視点から論文を書くのに役立ちます。

また、時間がないので、家に持ち帰ってじっくり調べたいという人もいると思います。
しかし、ひとつの図書館でいっぺんに借り出しできる冊数は決まっているので(だいたい6〜7冊)、じゅうぶんに資料が揃わないこともあります。
こういう場合は、複数の図書館カードを持っていると便利です。
あの図書館で5冊、こちらで3冊という借り方ができるし、それぞれの図書館に置いてある本は異なるので、より多くの本に出会うことができます。

また、検索機にたよらず、いろんな棚を足で流していると、さがしている本の隣に並んでいるちがう本が気になって、読んでみると意外な発見をする、なんてこともあります。

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